谷沢を案ずる安西先生(白髪鬼時代)

安西先生の名シーン

白髪鬼と呼ばれていた時代、将来を期待した谷沢の渡米を案ずるシーン

『スラムダンク』 第22巻

スラムダンク (22) (ジャンプ・コミックス)

所感

白髪鬼(ホワイトヘアードデビル)と恐れられた当時の安西監督ですが、その才能を開花させるために厳しく指導していた谷沢が突如アメリカへ行くと姿を消してしまいました。

指導の際は厳しく当たっていた安西監督ですが、やはりとても気にかけていたのか谷沢の行方や安否が心配になり、バスケ部のメンバーに頻繁に様子を確認していました。


「連絡はあるのか」
「手紙は来たか」
「一体誰をたよっていったんだ」
「ツテはあったのか」


その後、交流のあった友人に一つのビデオが届きました。

そこにはアメリカで試合に出ている谷沢の姿が映っており、谷沢が元気にしていることに安堵するバスケ部メンバー。
ですが、安堵はしたもののこのビデオを見た安西先生は感じます。


「まるで成長していない………」


このままでは谷沢がダメになると感じた安西先生はなんとか谷沢と連絡を取る手段を探します。


「帰ってこい谷沢!!」


監督生活の最後に日本一の選手に育て上げるつもりだったという安西監督。

連絡のあったメンバーに連絡先を確認しますが、以前として行方はわかりません。
さらにはアメリカの大学にも姿を見せなくなった谷沢・・・。

連絡の取れないまま月日は過ぎ、谷沢が渡米して約5年後―――

安西監督は新聞である記事を目にします。
その記事とは・・・

「米で邦人留学生激突死  谷沢龍二さん(24)」

この記事にショックを受け、谷沢の墓参りに行った安西監督はそこで谷沢の母に会います。
そして谷沢の手紙を受け取ります。
日付は4年前。
手紙はしたためたものの出せなかったのでしょう。

その手紙にはアメリカでの苦労と安西監督の言葉を思い出すという内容が書かれていました。
誰も自分にパスをくれないとも。
でも先生やみんなに迷惑をかけて、おめおめと帰るわけにはいかないのでもっと頑張ってみると書かれていました。

そして最後にこんな言葉も書かれていました。


「バスケットの国アメリカの―――

 その空気を吸うだけで
 僕は高く跳べると思っていたのかなあ…」


切ないですね・・・。
安西先生の思いも、それを知った谷沢の気持ちも、それを受けてなお頑張ろうと努力したことも。

少しずつのすれ違いで不幸な結果になってしまいましたが、二人の思いは遅くなったものの通じたのが救いですね。

そして、そのときの安西先生の谷沢にかけた夢は今の湘北バスケ部に受け継がれていきます。

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